スイテツ(水蛭)

スイテツ(水蛭)は、ヒルド科のウマヒルやチスイビルなどのヒルを乾燥した、動物性の生薬です。
漢方的には苦、平などの性質を持ち、強力な瘀血作用を有する駆瘀血薬で、閉経や腹痛、月経痛などひどい瘀血証の際に用いられています。


スギナ

スギナは、トクサ科トクサ属の植物で、全草を乾燥させたものです。ツクシとしてもよく知られています。
腎炎や利尿の際に用いられるほか、化粧かぶれやあせも、皮膚炎などにも使われます。近年では花粉症にも効果的だとされ、注目されています。


セッコウ(石膏)

セッコウ(石膏)は、天然の含水硫酸カルシウムを主とする鉱物です。
漢方的には辛、甘、寒などの性質を持ち、潤性を有する清熱の重要薬で肺や胃、気分の実熱を冷まし傷口の修復を促進する作用があり、熱性疾患にみられる熱や口渇、胃熱による嘔吐や、炎症のある浮腫や痒み、火傷の際などに用いられています。


センコツ(川骨)

センコツ(川骨)は、スイレン科の多年草の水草、コウホネのねくきを縦割し乾燥したものです。
漢方的には甘、寒などの性質を持ち、活血や利水作用わもつとされ、浮腫や打撲傷、排尿困難などの際に用いられています。


センキュウ(川芎)

センキュウ(川芎)は、セリ科の多年草、センキュウの根茎を湯通しし乾燥したものです。芳香性が強いものが良品とされています。
漢方的には辛、温の性質を持ち、血中の気薬とし活血や止痛の効果があるとされており、月経痛や腹痛、冷え、頭痛や筋肉痛などに用いられています。


ゼンコ(前胡)

ゼンコ(前胡)は、セリ科のノダケなどの根を乾燥したものです。
漢方的には苦、辛、微寒などの性質を持ち、止咳や去痰、解表などの効果があるとされており、熱証の痰や咳や頭痛、気管支炎や軽度の呼吸困難の際に用いられています。


センナ

センナは、マメ科のカワラケツメイ属の植物、センナの小葉を乾燥したものです。
漢方的には、かなり強い瀉下作用を持つとされており、便秘や膨腹などに用いられています。専ら便秘薬、下剤として有名な生薬の1つです。


センブリ

センブリは、リンドウ科の二年草、センブリの開花期の全草を乾燥したものです。味が苦いことで知られる民間薬です。
漢方的には、健胃や整腸作用があるとされており、腹痛や食欲不振、消化不良などに用いられています。またこのエキスは発毛促進作用もあるとされ、育毛剤にも使用されています。


センタイ(蝉退)

センタイ(蝉退)は、セミ科のスジアカクマゼミなどの幼虫の抜け殻を乾燥したものです。
漢方的に微甘、寒などの性質を持ち、肺熱や風熱を散じ呼吸を流暢にする作用があるとされており、風邪や咽頭の腫れ、熱性の湿疹や掻痒症などに用いられています。


セイヒ(青皮)

セイヒ(青皮)は、ミカン科のウンシュウミカンなどの成熟する前の果皮を乾燥したものです。
成熟した果皮はチンピ(陳皮)と呼ばれており、漢方では症状により使い分けられています。
漢方的には疏肝、理気、消積化滞などの効能があり、張ったような痛みや下腹部痛などに用いられます。


ソボク(蘇木)

ソボク(蘇木)は、マメ科の常緑小高木、ソボクの心材を乾燥したものです。染料としても知られています。
漢方的には甘、辛、平などの性質を持ち、活血、通径、止血などの効果があるとされており、月経痛や産後の瘀血症状、打撲や腹痛などにも用いられています。


ソヨウ(蘇葉)

ソヨウ(蘇葉)は、シソ科の一年草、シソまたはチリメンジソの葉および枝先を乾燥したものです。
漢方的には辛、温の性質を持ち、発汗作用で風寒を穏やかに散じ、脾胃の気を巡らせ調整する働きがあるとされており、胃部の不快感や悪心嘔吐、風邪の諸症状や、神経症の諸症状にも用いられています。


ソウジュツ(蒼朮)

ソウジュツ(蒼朮)は、キク科の多年草、ホソバオケラやシナオケラなどの根茎を乾燥したものです。
漢方的には辛、苦、温などの性質を持ち、表面の熱を除き脾胃機能を回復させ、健胃、整腸、利尿の効果があるとされており、水分の代謝異常や湿邪による下痢、胃もたれなどの消化器系の機能障害に用いられています。


ソウハクヒ(桑白皮)

ソウハクヒ(桑白皮)は、クワ科の落葉中高木、マグワの根皮を乾燥したものです。カイコの飼料として使われています。
漢方的には甘、寒などの性質を持ち、止咳、利水、消腫などの効果があるとされており、炎症のある咳や痰、顔の浮腫や尿量減少などに用いられています。

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